おなかを傷つけたくないわたしの、UAEという選択。

2023年1月にUAE(子宮動脈塞栓術)を受けました。

入院初日&UAE

入院日は朝8:30に受付なので、朝一の新幹線で岡山へ。午後からUAEのため、朝の9時以降は絶食です。

私が入院した棟は昨年?できたばかりらしく、さらに綺麗。入院書類を渡し受付を済ませると、まるでホテルさながら、スタッフが荷物を部屋まで運んでくれ、病室の案内をしてくださいました。感激!

部屋はとても広くて、大きな窓で景色もよく、ウォシュレット付トイレ、クローゼット、セキュリティBOX、洗面化粧台、シャワールーム、ミラー付きデスク、壁掛けの大型TV、ソファ、無料Wi-Fiも完備。部屋に備え付けのタブレットから院内のローソンで買い物までできて、しかも無料で届けてくれる。バスタオルとフェイスタオル2枚とバスマットは毎日取り換えに来てくれる。あとキッチンとバスタブが付いてたら、もうここに住みたいレベル。ここ数年で泊まったどのビジネスホテルよりも綺麗で快適です。

 

看護師さんが来て体重を計ったり、薬剤師さんが来て薬のことを確認したり諸手続きを行います。手術着に着替え、点滴と尿道カテーテルをします。UAE後に出血があることが多いため、ナプキンもつけます。下着は普通の下着でOKでした。

午後からのUAEに向けて、背中に硬膜外麻酔をつけに処置室へ行きます。処置台で背中を丸めて刺すんですが、これが結構痛い。この後は麻酔が効いてくるので、歩けません。一度ストレッチャーで病室へ戻り、UAEの際にカテーテルを挿入する手首に麻酔テープを貼ります。午後まで待機。

 

午後ストレッチャーで手術室へ。いよいよUAEです。

左手首からカテーテルを挿入します。以前は太ももの付け根からが主流だったそうですが、動脈を切るので術後に長時間圧迫止血する必要があり、足の付け根だと、患者が自由に動けない時間が長くなって負担が大きいということで、最近は手首から入れるようになったそうです。

部分麻酔なので、話も聞こえるし、様子も見えます。私の場合、動脈が細くてカテーテルを入れるのに少々時間がかかり、何度かトライしたので、その間にちょっと気分が悪くなり、血圧が下がってしまったようで、血圧をあげる薬を2回ほど投与されました。

挿入後は順調で、あっという間にカテーテル子宮筋腫の動脈に到着。まず左側の動脈から。造影剤を入れると、そこが温かくなります。そのあと、画像を撮影するため、息を吸ったり、止めたりしました。(手術中に何回か行います)電気を消して、先生が画面をみながらゆっくりエンボスフィアを流していきます。私の位置からも画面が見えますが、見てもわかりませんでした~。

先生の「いいね。いい感じに塞がってるね」という言葉が聞こえてきてうれしい。何度か電気をつけたり消したりしながら左側終了。そのまま右の動脈へカテーテルを移動させ、同じように右側も塞栓。話を聞いていると。こちら側も非常にうまく塞げた模様。最後はカテーテルを抜いていきます。最後抜くときに空気の圧力で手首を圧迫する器具を装着、そのまま翌日まで少しずつ圧力をゆるめながら、止血するようです。

時間は手術室に入ってから、2時間弱くらいで終了したと思います。手術中に看護師さんが何度も肩をゆっくりトントンしてくれて「大丈夫~?がんばってね~」と優しく声をかけてくれたのが非常に心強かったです。

 

ベッドに移され、病室へ戻ります。麻酔でぼーっとしているので、その後はうつらうつらしていました。強い痛みはまだありません。そのうち夕食が運ばれてきます。UAE後は吐き気を訴える方が多く、吐いてしまう人もいるそうで、口をそろえて「気持ち悪くないですか?食べられそうですか?無理しないでくださいね?」と言われたので、おびえて8割ほどでやめておきました。私の場合は吐き気はありませんでしたが、急に起き上がってご飯を食べたせいで貧血を起こしたのか、気分が悪化してしまいました。

 

数時間おきに手首の止血の圧迫の圧を下げてくれます。

熱っぽいと思ったら、熱が38度あるらしい。アイスノンを持ってきてもらい、そのまま寝ます。

 

 

初診&MRI検査

12月某日、MRIが11:40からなので3時間前から絶食です。予約時間の9:30に受付に到着するため、早朝の新幹線に乗り倉敷へ。MRIの時はあまりメイクも出来ないので、アイメイクなしでの長距離移動がちょっと恥ずかしい。前日に生理になってしまい、コンディションは最悪です。予約時に生理とMRIは重なっても大丈夫との確認をとっていてよかった~。

 

病院はホームページ通りにホテル並みに綺麗で、受付の方々もホテルのフロント並みの丁寧さ。それだけでちょっとほっとしました。

放射線科へ行って問診票を書いて、そのあと採血室へ移動して採血。また放射線科に戻って、MRIの時間まで放射線科の担当医の説明を聞く。先生は非常に丁寧にUAEについて手術方法、副作用、デメリット等もしっかり説明してくださり、質問はないですか?と何度もこちらの理解度を確認してくださったので、遠慮なく色々質問して、不安点のないようにしました。

そうしているうちにMRI検査へ。MRIは初めてではないし、閉所恐怖症でもないので、特に緊張もなくうとうとしてるうちに終了。体感的にはけっこう長かったイメージ。1時間弱かかったかな?

 

MRI終了後、食事をとってくるように言われる。食事をしている間に先生がMRIの画像を分析してくれ、結果を伝えてくれるとのこと!その日のうちに結果がわかるとは思っていなかったのでうれしい驚きです。(私が遠方から来ているゆえの配慮かもしれません)食事から戻ると先生が待ち構えてくださっていました。

 

検査結果は、UAE適合!よかった!

画像を見ながら詳しく説明をしていただきました。画像を見た瞬間、どーんと巨大な丸い塊が目に飛び込んで来ました。これではないだろうと思ったら、まさかの巨大な塊が筋腫でした。そりゃあ外から触ってわかるはず、運動しても凹まないはずです。大きさを改めて尋ねてみると11センチと6センチ。10月からさらに成長している・・恐ろしい。

UAEは以前もお話しした通り、筋腫に栄養を送っている動脈をふさいで、筋腫への栄養を断つという処置なので、筋腫の血流が良いか悪いかによって効果に差が表れるそうです。血流が良い場合は、栄養が断たれた時の筋腫へ与える影響が効果が大きく、その分効果も出やすい。逆に血流がもともとよくない筋腫の場合は栄養を断ってもそれほど効果が表れないそうです。納得。

ちなみにMRIの画像からすると、私の筋腫たちは血流がなかなかよい方らしく、はっきり断言はできないが、効果がでやすい性格の筋腫ではないかと思われる。との診断でした。悪性の可能性についても特に指摘無し。

 

ということで、以前お話した残る3つのデメリットについても考えました。

■筋腫の性質によって効果にバラツキがある。

→効果が表れやすい筋腫と思われるとの診断

UAEの適合とならない筋腫もある。

→適合

■組織検査が出来ないので、良性だと断言できない。

→悪性の可能性の指摘は特になし。

 

あとは塞栓物質についての説明。ゼラチンスポンジとエンボスフィアの2種類ですが、現時点で保険適用となるのはエンボスフィアのみです。先生の説明をよく聞き、私はエンボスフィアを選択しました。(金銭的にも最初からそのつもり)

さっそく先生と入院日を話し合って決定。手術や造影剤等に関するの同意書など説明を受けました。急に事態が進展してドキドキしている私に、先生は「入院日決めたけど、もし気が変わったら直前でも遠慮なく電話してくださいね」と私の意思を尊重してくださり、非常に安心しました。

 

その日のうちに入院に関わる予備検査(心電図等)も行い、診察は終了。入院に関する説明を受けに行き、入院のための書類や、必要なものについて丁寧に教えて頂きました。医療保険に入っているなら、事前に保険会社から必要な書類(保険会社の様式の診断書、病院側が後で記入)を取り寄せておくとよいとか、健康保険の組合から限度額適用認定証を事前に取得して持ってくるとよいとか。

とても綺麗な病院で、なんと病室が全室個室なんだそうで、もともと全室個室のため、個室料金は不要とのこと。素晴らしい!

ほんと個室でよかったと後々思うことになりますが、その話はまた後日。

会計を済ませて無事に終了。お会計は3割負担で15000円でおつりがくるくらいでした。

 

【本日のポイント】

MRIは生理日と重なってもOK!

・不安な点はどんどん質問しよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UAEの病院選び

UAEの検査をうけてみようと決めたものの、次に悩むのが病院選び。そもそもUAEをしている病院自体がそれほど多くないのが現状です。というのも、子宮筋腫の治療のガイドラインの順位としては、治療の確実性として、筋腫自体が無くなる摘出手術の方が当然上位であり、その次がUAEとなっています。

つまり、経過観察の域を超えた筋腫について、婦人科医は基本的に手術を勧めるということです。お医者さんから手術と言われたら、大抵の方はそのまま手術を受けられますので、UAEの需要の方が圧倒的に少なく、当然UAEを行う病院も限られてきます。わたしも自分に降りかかるまではUAE=アラブのイメージしかありませんでしたから。

 

UAE放射線科が行うので、受診するのは放射線科になります。といっても、子宮筋腫の治療なので、婦人科と連携して行われます。それで私は、もしUAEが適応でなかったり、不測の事態から婦人科での摘出手術に変更になった場合、できるかぎり腹腔鏡手術で対応してくれそうな病院を受診したいと思いました。

多くの病院では手術実績をホームページ上で公開しています。私はそれを参考に、UAEをしている病院で、かつ、その病院の婦人科の子宮筋腫の手術において、開腹手術と腹腔鏡手術の実績数の割合を比べた時に腹腔鏡手術の割合の方が多く、子宮全摘出手術を腹腔鏡で数多く行っている病院を探しました。

病院情報に詳しい知人からもいろいろと情報を得て、最終的に婦人科も非常に優秀な岡山県倉敷市の病院でUAEの検査を受けることにしました。

 

家からはかなり遠いので、通っているクリニックに紹介状を書いてもらう際には「岡山!?」とたいそう驚かれましたが、UAEを希望していることについて説明すると「確かに岡山県は婦人科のレベルが非常に高いんですよ」と仰って、喜んで紹介状を書いてくださいました。

入院の時は遠すぎて家族がちょこちょこ来ることはできないけど、どうせコロナ禍でお見舞いは禁止だし、入院してしまえばどこでも一緒ですしね。

ただ、新幹線で行かなければならず、検査や手術で何回か往復しなければならないことを考えると、交通費がかさむのが悩みどころですが

「10万円あげるからお腹傷つけていい?」と聞かれたら、断固拒否するな。だったら交通費に10万くらいかかってもいいや。と前向き?に考えることにしました。ちょっとへんてこりんな価値観ですかね?

そうは言っても、やはり交通費は高いので、なるべく往復回数を減らしたいのが本音。ということで、初診の予約の電話をする際、遠方から診察を受けるため、初診とMRI検査を同じ日にしてもらえないかとお願いしてみました。すると県外から受診される方も多い病院のようで、事情をすぐに理解してくださり、初診とMRIを同日に設定していただくことができました。ありがたい!

病院も無事に決まり、そわそわしていた心が少し落ち着きました。

次回は初診&MRI検査について書こうと思います。

 

【本日のポイント】

UAEを行っているかだけでなく、婦人科の実績についても調べること。

・遠方の病院の場合、行く回数を減らせるように交渉してみるとよい。

 

 

UAEを選んだ理由

私がUAEを選んだ理由を一言で言うと、ベストタイミングだと感じたこと。

このブログを読んでおられる方は、おそらくUAEについてある程度知っておられると思いますが、UAEは簡単に言うと筋腫に栄養を与えている血管に、カテーテルで塞栓物質を流して血管をふさぎ、筋腫に血液が流れないようにして壊死させる、という方法です。そして、UAEにはお腹を切らない、身体に負担が少なく社会復帰が早い、子宮を温存できる。といったメリットの他に、デメリットや条件もあります。

いくつか代表的なものをあげて、デメリットに対する個人的な感想を述べてみます。

 

■まれに卵巣に影響を及ぼすことがあるため、妊娠を強く望む人は、そのことを理解しなければいけないということ。

→年齢的に妊娠を望んでいるわけでもないので問題なし。

■今ある筋腫が壊死しても、新たな筋腫が出来る可能性があること。

→新たな筋腫が出来たとしても、巨大化する前に閉経する可能性が高いので、おそらく問題なし。

■閉経前でなくてはならない。

→閉経までそれほど長くないので、逆にUAEは今しかできない。

■まれに術後に感染症を起こし子宮全摘手術になることがある

→もともと子宮全摘と言われていたのだから、その通りになるだけ。

■筋腫の性質によって効果にバラツキがある。

UAEの適合とならない筋腫もある。

■組織検査が出来ないので、良性だと断言できない。

最後の3つは精密検査を受けてみないとわからない。

 

ということで、とりあえず自分の筋腫がUAEの適応となるのか、MRI検査を受けてみることにしました。

いろいろ考えたところで、悪性の可能性が高かったり、そもそも適応じゃなかったら意味ありませんもんね~。

次回は病院選びについてお話します。

 

【本日のポイント】

・感じ方はそれぞれなので、デメリットについて自分に正直に考えること。

 

 

 

 

 

「開腹手術になるでしょう」と言われて

「5cmと2cmの子宮筋腫がありますね。でも閉経までそう長くはないから、経過観察しましょう」

5年前の子宮頸がん検診の時にそう言われ、毎年検診に行く度に大きさを見てもらってはいたものの、コロナ禍で検診をおろそかにしていた昨年の夏のこと。

 

職場の健康診断に向けて、コロナ太りを解消しようとエクササイズを開始したものの、お腹回りに効くエクササイズをどんなにしても、ひっこまない下腹のポッコリ感。

これが中年太りか・・と仰向けにねころんでお腹を触ると妙な違和感。脂肪のくせにやけに硬いし、出っ張っているところが偏っている気がする。

まさか筋腫が大きくなったのでは?と不安がよぎる。

 

検診をおろそかにしていたことを思い出し、仕事が落ち着いたら行こう、生理になったから終わったら行こう、今忙しいから来月行こう。と言っているうちに10月末。

やっと検診に行って、エコーをしてもらうべく仰向けになり、お腹を出した瞬間、

「あら!大きくなってるね。お腹見ただけで分かる」と先生に言われ予感的中。

エコーの結果9.5cmと5cmになっているとのこと。

「これは摘出した方がいいですね。大きさ的に子宮全摘、開腹手術になるでしょう。大きな病院に紹介状を書くので、手術する病院を決めてきてください。」

先生にそう言われショックのまま帰途につく。

 

閉経までもってくれると思っていたのに。しかも開腹なんて。

子宮筋腫 開腹 傷跡」「子宮筋腫 腹腔鏡 傷跡」などで画像検索しては、もう少し小さければ、腹腔鏡でも出来たのか・・と思うと検診を控えたのが悔やまれる。

知人にいろいろ相談してみるがやはりこの大きさでは開腹の人ばかり。

もちろん、誰でも傷が残るのは嫌だと思うが、結婚して10年以上経つ奥様たちと、独身の私とでは、またちょっと違うのではないか、と思う。

もしかしたらこれから結婚するかもしれない私が、おなかに大きな傷をつけるというのは、メンタルにもかなり大きな傷となる。

 

なんとか腹腔鏡で手術してくれそうな病院を探し回っていたところ、UAEに関する情報を見つけました。初めて聞く治療法でしたが、多くの医療機関で前向きに書かれており、保険適用にもなったということで、ある程度の信頼性はあるのかなと感じました。

ただ、もともと調査体質な私。しかも自分の体に関することですから、それからというものUAEについて論文をいくつも読んだり、ガイドラインを調べたり、メリットとそれ以上にデメリットについても調査しました。

そして私はUAEという選択肢を選ぶことにしたのです。

なぜ選ぶことにしたかはまた次回。

 

【本日のポイント】

・検診を控えてはいけないということ。

・治療法は自分でしっかり調べること。